■「確実」に高める唯一の要因は飲酒
日本人の死因の1位である「がん」の発症は、その人の生活習慣と密接に関わっていることが知られています。たとえば肺がんは、喫煙だけでなく受動喫煙によっても発症リスクが上がることが分かっています。胃がんの場合は、喫煙に加え、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染も発症リスクを上昇させます。
では、男女ともに罹患率が高い大腸がんはどうなのでしょうか。
国立がん研究センターでは、国内外の最新の研究結果を基に、日本人のがんと生活習慣との因果関係の評価を行い、ホームページで公開しています。
この評価は、「データ不十分」⇒「可能性あり」⇒「ほぼ確実」⇒「確実」の順に科学的根拠としての信頼性が高くなっています。
ステージ別の生存率
生存率とは、がんと診断された患者さんのうち、ある時点まで生存されている割合のことです。
大腸がんのステージ別の生存率をみると、ステージ0やⅠのような初期の段階では、90%以上の確率で治ります。
ただし、ここで示されている生存率は、多くのがん患者さんの平均的な値です。患者さん一人ひとりの余命を決定づけるものではありません。