健康診断が きっかけで、血圧が気になり始める方は多い。
血圧を気にする際にまず考えることは、食事で高血圧を改善できるかどうかではないだろうか。
今回は、血圧は食事で改善できるのか、血圧が上がる要因と食生活の改善についてポイントをご紹介していく。
1.血圧を上げる要因には何があるのか
血圧が上がるのを防ぐためにはどのようなことに気をつけたらよいのか。
まずは、主な要因を確認していく。
塩分
日本人の血圧が高くなる原因の一つは、塩分の摂りすぎであると考えられている。
一部の研究機関によると、塩分を取りすぎると血圧が上昇するため、食事から取る塩分を減らし、減塩食にすることで、血圧が下がるという研究結果もある。
肥満
若い男性、中年の男性で、肥満が原因で高血圧となるケースが増加傾向にある。
内臓脂肪型肥満と呼ばれる、お腹の腸のまわりに脂肪が多く蓄積してしまった状態で、「リンゴ型肥満」タイプに多く、男性に多く見られる。
また、肥満の人は、食べる量も多いことから、塩分も多く摂りすぎる傾向があり、血糖値を下げる働きのあるインスリンが多く分泌される傾向にある。
インスリンには、腎臓でナトリウムの再吸収を促進し、体の中にナトリウムを溜め込む働きがあるため、結果的に体液量や血液量が増え、血圧を上昇させることにつながる。
ストレス
ストレスには、さまざまな種類があるが、騒音にさらされるストレスが血圧の上昇を招く可能性があるという報告もある。
体内ではストレスを解消しようとして防御反応が起こるが、上手く制御できない場合、高血圧を引き起こす可能性がある。
飲酒
アルコールは、血圧を一時的に下げるといわれているが、飲酒を続けていると、血圧を上げる原因に変わる。
飲酒習慣があり、お酒の量が多いほど高血圧になりやすい傾向があるため、飲酒量はほどほどにするのがおすすめ。
喫煙
喫煙が動脈硬化や脳卒中などの原因といわれる背景には、血管が損傷を受け、酸素運搬の働きが低下することなどから、循環器疾患を引き起こしてしまうことが挙げられている。
また、タバコに含まれるニコチンが神経を刺激し、血圧が一時的に上がることがわかっている。
2.高血圧の方がとるべき食事のポイント
次に、高血圧を改善・予防するための食事について、そのポイントをまとめる。
塩の量を適切に
高血圧の場合、塩分は男性で1日8g未満,女性で1日7g未満とすることが勧められるが 、塩分を控えると、食事が物足りなく感じる場合もある。
そこで注目したいのが減塩食である。減塩食を続けていると、味覚が濃い味に慣れてしまっていても徐々に薄味に慣れてくる。
そのためにも、まずは外食の回数を減らす、卓上調味料は使用しない、麺類のスープは残すなど、できるところから塩分を減らしていくことをおすすめする。
お酢などの酸味、香辛料、セロリ、大葉などの香味野菜といったものを利用することも減塩方法の一つだ。
すべての食事を塩分の少ないものにすると物足りなく感じるため、「味付けのしっかりしたものを一品だけ用意する」「酸味を効かせたおかずを加える」など、メリハリをつけることもポイントである。
栄養バランス
栄養のバランスを意識することは高血圧予防にもつながる。
野菜や果物はカリウムを多く含んでおり、カリウムにはナトリウムを排泄する作用があるため、意識的に野菜を取るようにしたい。
野菜や果物を積極的に取り入れることで、栄養バランスが整い、肥満の予防にもつながる。
また、たんぱく質は、筋肉の材料であるが、血管を丈夫にする効果も期待できる。たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれるが、肉類ばかり食べるのではなく魚類も食べるようにすると、魚に含まれる質のよい脂が、血圧を下げるといわれている。
カルシウムは、マグネシウムとともに血圧を整えるため、ヨーグルトや牛乳などの乳製品も取るのもおすすめ。
ただし、乳製品などを意識的に摂取する場合は、脂質の摂りすぎにも気をつけるようにしたい。
節酒
お酒の飲み過ぎは、高血圧の原因となる。そのため、日本酒なら1合、ビール瓶1本までに抑える必要がある。
少量のお酒であれば、人によってはリラックス効果もあるため、 お酒が悪いわけではない。
また、お酒の量に加えて、休肝日を設けることもより効果が期待できる。
3.まとめ
高血圧は、塩分の取りすぎや肥満、ストレス、お酒の飲み過ぎ、喫煙が原因として上げられる。これらの原因を排除することで、高血圧の予防や改善に役立つと考えられる。
栄養バランスを意識した食事は、高血圧の予防だけでなく、肥満の予防にもつながる。毎日の食事に野菜や果物をプラスしてみよう。